2023年7月30日、
両親に車をプレゼントした。
書きたいのは、
そんなことじゃない。
今からおよそ8年前、僕が高校生だった頃、金銭的に豊かではなかった我が家は、その事情で車を手放すことになった。
金はないが、愛はある。
そんな家庭を築いていた母が、車を無くした時には涙を流していた。そして涙ながらに放った一言が「車も無くなって、お父さんがかわいそう。」だった。
単純に車が無くなって悲しいとかではなく、父を思っての涙だということに気づき、その優しさと報われない結果として車を手放すことになった事実とのねじれ、残酷さが僕の心へ釘のようにトラウマとして突き刺さった。
あれから8年、今もその釘は抜けていない。実家の空っぽな駐車場を見ると、皮肉にも痛みで胸がいっぱいになる。空っぽになった駐車場への周りの目も気になったことだろう。
この駐車場は、
僕が埋める。
当時学生ながらにそう心に誓った。絶対に稼げるようになって、余裕を持ってここに車を戻すんだ。この思いが学生時代から仕事に向けて努力できた原動力の一つであることは間違いない。
8年間努力し続けて、やっと叶った一つの夢。買うだけならローンでも組んで無理してもっと早く叶えられたけど、それじゃ親子として良い循環に思えないので、資金に余裕を持って維持費も全部背負える状態で安心してもらった上で乗ってもらいたかった。
その時は突然来た。
お世話になっている尊敬する経営者の方と海外でご一緒させていただいている時にこの話をしたら、「それはもう、買っちゃいましょう。もう買えるじゃないですか。」と言っていただき、「そうか、確かに将来はまだ不安だけど、買えなくはないな。」とハッとした。
帰国したその日にすぐ母親に連絡した。
ここから両親には車選びをゆっくり楽しんでもらって、ようやく納車に至ったわけです。
やっと抜けた心の釘。
同情してほしいわけではない。
育ちが貧しいことを綺麗事としてストーリーの出汁にするつもりはさらさらなくて、ただ、こういった背景があって一つの夢が叶えられたという幸せな気持ちを記録として残したかった。
もう今更実家が貧しくて恥ずかしいとかも毛頭ないですし、むしろ愛情を持って育ててもらえたことのありがたさの方がよっぽど自慢したくなるくらい、素晴らしいことだってわかってる。
ただ言えるのは、
最高の瞬間だったってこと。
たくさん頭を悩ませて悔しい思いもして恥も忍んで努力して、その先に掴んだ結果で一つの夢を叶えることができた。まだまだ小さな話だけど、この成功体験が今後の僕の人生にとって大きな励みになることは間違いないと思う。
自分の事業を持っていると、辛いことや重くのしかかる不安は確かにある。というか、ほとんどそれだ。でも、99%のネガティブ要素と1%のポジティブ要素だったとしても、その質量がまるで違う。天秤にかけると、明らかに1%の方が重いのだ。
その1%の成功体験、ポジティブな要素がとてつもなく楽しく、幸せで、輝いている。だから僕はどれだけ辛くても自分の道を進むことを辞めることはない。
今日はそんな1%の日。というお話でした🫶
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